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はるのかぜ

第104章 食事の大切さ

「藤井さん、あなたお腹減ってるんでしょ。」

「はい。」

ハルが心配そうに問いかけると美雨が頷きます。

「じゃあ、これあげるわ。」

そう言うと、道枝先生は美雨にパンを差し出しました。

「ありがとうございます。」

美雨はものすごい勢いでパンを食べ、保健室を後にしました。

 美雨が去ったあと、ハルは保健室で道枝先生と話していました。

「さすが、養護の先生。体のことについては説得力ありますね。」

「生徒の体のことを第一に考える。それが養護教諭の努めですから。ところで、内海先生も着任当初に比べると、ちょっと痩せたんじゃないですか?」

「えっ!そうですかね?」

「私もそうだったけど、教員って最初の年はいろいろ大変ですよね。特に内海先生は新卒で、いきなり中3だから、負担も大きかったりするんじゃないですか?あんまり無茶はしないでくださいね。」

「はい。」

生徒のことだけでなく、自分のことを見てくれていた道枝先生にハルは驚きました。教師になってから、新人研修と3年5組の生徒に振り回されているハルは知らずに知らずのうちに自分の体に負担をかけていたようです。生徒のことも大事だが、自分の体も気をつけなければならないと感じ始めたハルでした。

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