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はるのかぜ

第108章 夏休み早々の家出騒動

ハルは満枝からさやかの携帯電話の番号を聞きました。すぐに、ハルも携帯電話にかけてみます。

「もしもし?」

さやかが不思議そうな声で電話に出ました。

「あっ、岩本さん?内海よ。」

「ハル先生!どうして、私の番号を。」

「お母さんから聞いたの、あなた今どこにいるの?」

「先生が行ってみたい場所に向かってます。」

さやかのその言葉を聞いて、ハルは昨日のさやかとのやり取りを思い出しました。

「ハル先生!今、行ってみたい場所ってありますか?」

「そうねぇ、広島港かなぁ。」

すぐにハルはさやかに尋ねます。

「まさか、あなた、今、広島に向かってるの?」

すると、さやかは突然電話を切りました。ハルはもう一度電話をかけますが、応答はありませんでした。さやかの居場所の予想がついたハルはそのまま新下関駅へと向かい、新幹線に飛び乗りました。広島駅に着くと、そのまま広島港行きの路面電車に乗り込みます。終点までたどり着いたハルは駅周辺を探し回ります。しばらく探していると、近くの公園のベンチに見かけたことのある人影を見つけました。さやかは本当に広島港に居たのでした。

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