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「あっ、おはようございます。」

「随分お疲れのようだけど大丈夫？」

「はい。」

「ならいいけど。あなた、最近ちょっと痩せたんじゃないかなぁって思って心配だったのよ。無理してるんじゃない？」

「大丈夫です。」

「あなたの生徒のために全力を尽くす姿は私も素晴らしいと思ってる。でもね、体壊したら大変よ。あなた自身は一人の女性としか感じないかもしれないけど、3年5組の生徒からするとたった1人の大切な担任なんだからね。あんまり頑張り過ぎないように気をつけてね。」

「わかりました。」

口では大丈夫と言ったものの、ハルが無理をしているのは事実でした。新人教師であるハルは、研修による出張も頻繁にあり、さらに何かと問題の多い3年5組の生徒に振り回されることも多々ありました。そして、2学期に入ってからは昨日の採点のように家で夜遅くまで仕事をすることも増えてきたのです。

　ハルは職員朝礼を終え、3年5組のホームルームを進行していました。

「今日の4時間目の理科ですが、第3理科室は他学年が使うそうなので第2理科室で行うそうです。間違えないようにお願いします。じゃあ、私からの伝達は以上です。号令お願いします。」

「起立！気をつけ！礼！」

「ありがとうございました。」

学級委員の五関翼が号令をかけると生徒全員が挨拶をし、ホームルームは終了しました。ハルも職員室へと向かいます。教室を出ようとしたとき、ハルは徐々に自分の意識が薄れていくのを感じました。

「ハル先生！」

突然倒れたハルの元に生徒たちが駆け寄ります。