はるのかぜ
第114章 生徒からの手紙
ハルが入院している間、3年5組の担任代行は副担任の森本先生が務めていました。
「今朝の伝達は以上です。じゃあ、号令お願いします。」
「起立!気をつけ!礼!」
「ありがとうございました。」
森本先生が朝のホームルームの終わりを告げると、学級委員の五関翼が号令をかけ、生徒たちが挨拶しました。森本先生は職員室へと向かいます。
「森本先生!」
すると背後から誰かが呼びました。
「あら、五関くん。どうしたの?」
声の主は翼でした。
「これ、3年5組全員でハル先生に手紙書きました。今度、お見舞いに行かれるとき、渡してもらえますか?」
そう言うと、翼は森本先生に大きな封筒を差し出しました。
「あら!これは内海先生も喜ぶわ。じゃあ、今度渡しておくわね。」
「お願いします。」
次の日曜日、ハルは病室にいると森本先生がやって来ました。
「こんにちは。」
「森本先生!」
「大分顔色よくなったみたいね。」
「はい、おかげさまで。入院初日は付き添っていただいたみたいで本当にありがとうございます。」
「とんでもない。あのときはどうなることかと思ったけど、回復傾向みたいで安心したわ。」
「本当にご心配おかけして申し訳ございません。」
「今日はね、あなたに渡したいものがあって来たの。」
森本先生は翼から受け取った封筒をハルに差し出します。
「3年5組の生徒たちからあなたにお手紙ですってよ。」
「えっ!」
ハルは早速、1つ目の手紙を開きます。
「ハル先生。先生がいない間も僕は3年5組のことをしっかりとまとめていきます。早く元気になってくださいね。 五関翼」
「あの子達、私のためにこれを。」
ハルの目には涙が滲んでいました。
「そうよ。前にも言ったと思うけど、あなた自身は一人の女性としか感じないかもしれないけど、3年5組の生徒からするとたった1人の大切な担任だって。だから、1日でも早く元気にならないとね。」
「はい。」
森本先生が帰ったあとも、ハルは何度も何度も生徒からの手紙を読み返していました。
「ちゃんと飯食ってるか? 佐久間すばる」
「ハル先生、早く元気になってね。 二階堂比呂」
「今朝の伝達は以上です。じゃあ、号令お願いします。」
「起立!気をつけ!礼!」
「ありがとうございました。」
森本先生が朝のホームルームの終わりを告げると、学級委員の五関翼が号令をかけ、生徒たちが挨拶しました。森本先生は職員室へと向かいます。
「森本先生!」
すると背後から誰かが呼びました。
「あら、五関くん。どうしたの?」
声の主は翼でした。
「これ、3年5組全員でハル先生に手紙書きました。今度、お見舞いに行かれるとき、渡してもらえますか?」
そう言うと、翼は森本先生に大きな封筒を差し出しました。
「あら!これは内海先生も喜ぶわ。じゃあ、今度渡しておくわね。」
「お願いします。」
次の日曜日、ハルは病室にいると森本先生がやって来ました。
「こんにちは。」
「森本先生!」
「大分顔色よくなったみたいね。」
「はい、おかげさまで。入院初日は付き添っていただいたみたいで本当にありがとうございます。」
「とんでもない。あのときはどうなることかと思ったけど、回復傾向みたいで安心したわ。」
「本当にご心配おかけして申し訳ございません。」
「今日はね、あなたに渡したいものがあって来たの。」
森本先生は翼から受け取った封筒をハルに差し出します。
「3年5組の生徒たちからあなたにお手紙ですってよ。」
「えっ!」
ハルは早速、1つ目の手紙を開きます。
「ハル先生。先生がいない間も僕は3年5組のことをしっかりとまとめていきます。早く元気になってくださいね。 五関翼」
「あの子達、私のためにこれを。」
ハルの目には涙が滲んでいました。
「そうよ。前にも言ったと思うけど、あなた自身は一人の女性としか感じないかもしれないけど、3年5組の生徒からするとたった1人の大切な担任だって。だから、1日でも早く元気にならないとね。」
「はい。」
森本先生が帰ったあとも、ハルは何度も何度も生徒からの手紙を読み返していました。
「ちゃんと飯食ってるか? 佐久間すばる」
「ハル先生、早く元気になってね。 二階堂比呂」