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はるのかぜ

第117章 一番恐れていたお言葉

職場復帰をした翌日、ハルは教育委員会へと向かいました。ハルは応接室へと案内され、椅子に座ってしばらく待っていました。すると、ドアをノックする音が聞こえました。

「はい。」

ハルが応答すると、大橋教育長が入ってきました。

「お待たせしまして、申し訳ございません。教育長の大橋と言います。」

「内海です。よろしくお願いします。」

ハルも立ち上がり、大橋教育長に頭を下げます。

「どうぞ、おかけください。」

大橋教育長の一声でハルは再び椅子に座ります。

「すみませんね、お忙しいところ、お越しいただいて。」

「とんでもないです。」

「直近で体調を崩されてたと伺いましたが、その後はいかがですか?」

「引き続き、投薬治療と定期的な病院への通院は必要ですが、症状ほとんど出なくなり、回復傾向です。」

「そうですか。回復傾向とのことで安心しました。では、そろそろ、本日の本題に入りたいと思います。今日は内海さんの来年度以降のお話をさせていただきたいと思い、お呼びしました。体調は回復傾向とのことですが、今年度、数カ月間に及ぶ欠勤が発生したのは事実です。欠勤により、学校側に迷惑がかかった上に、初年度の新人研修も途中より不参加という状況になっています。その点を含めて、いろいろと協議させていただいた結果、内海さんには大変申し訳ないのですが、今年度いっぱいで懲戒免職とさせていただくことになりました。」

「…。」

大橋教育長の発言があまりにも衝撃的すぎて、ハルは何も言葉が出ません。

「業務最終日までの動きについては、山田校長としっかり相談の上で対応願います。」

「わかりました。」

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