はるのかぜ
第119章 さようなら、教師の内海ハル
その日の夕方、ハルは自分の机に置かれた荷物を袋やダンボールに入れて片付けていきます。そんなハルの姿を寂しそうに見ていた森本先生が言いました。
「あなたは生徒のために尽くす素敵な先生だと思ってたのに、こんな形になってしまうなんて本当に残念だわ。」
「いえ、むしろ、先生にそんな風に思ってていただけて嬉しいです。本当に途中でご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」
「いえいえ、私は3年5組の副担任だったんだから。担任が困ってる時に助けるのが副担任の役目だもの。明日からあなたと一緒にお仕事ができないのは残念だけど、あなたは本当に素敵な人間だと思ってる。だから、どこで働いてもきっと大丈夫よ。まずは、体を大事にして頑張ってね。」
「はい。ありがとうございます。」
職員室の机が片付いた後、ハルは3年5組の教室へと向かいます。教室のドアを開けても、中は静まり返っています。ハルは静かな教室にまだ残っている掲示物を外し始めます。誰もいないとわかっているのにハルは掲示物を外しながら何度も何度も後を振り向きます。この教室はハルにとって1年間の思い出がたくさん詰まった教室だからです。ハルの頭の中にはこの教室での思い出が次々と蘇ります。掲示物を外し終えたハルは並んでいる机の間をゆっくり歩いて回ります。どこに誰が座っていたか、1人1人思い出していきます。教室を一周回り終えたハルは忘れ物がないか最終確認をし、3年5組の教室を去って行きました。そして、これからハルには冬の時代がやって来るのでした。
「あなたは生徒のために尽くす素敵な先生だと思ってたのに、こんな形になってしまうなんて本当に残念だわ。」
「いえ、むしろ、先生にそんな風に思ってていただけて嬉しいです。本当に途中でご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」
「いえいえ、私は3年5組の副担任だったんだから。担任が困ってる時に助けるのが副担任の役目だもの。明日からあなたと一緒にお仕事ができないのは残念だけど、あなたは本当に素敵な人間だと思ってる。だから、どこで働いてもきっと大丈夫よ。まずは、体を大事にして頑張ってね。」
「はい。ありがとうございます。」
職員室の机が片付いた後、ハルは3年5組の教室へと向かいます。教室のドアを開けても、中は静まり返っています。ハルは静かな教室にまだ残っている掲示物を外し始めます。誰もいないとわかっているのにハルは掲示物を外しながら何度も何度も後を振り向きます。この教室はハルにとって1年間の思い出がたくさん詰まった教室だからです。ハルの頭の中にはこの教室での思い出が次々と蘇ります。掲示物を外し終えたハルは並んでいる机の間をゆっくり歩いて回ります。どこに誰が座っていたか、1人1人思い出していきます。教室を一周回り終えたハルは忘れ物がないか最終確認をし、3年5組の教室を去って行きました。そして、これからハルには冬の時代がやって来るのでした。