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はるのかぜ

第126章 風になったハル、長野へ

達也と入籍し、ハルは風間ハルとなりました。しかし、2人には結婚をゆっくりと祝っている暇はありません。2人は結婚してすぐ、達也の新しい勤務先である長野へと向かわなければならないからです。2人は今、長野へと向かう特急に揺られています。

「こうやって、新幹線と特急を乗り継ぐって考えたら、やっぱり長野って遠いね。」

外の景色を眺めながらハルが達也に話しかけます。

「そうだね。ハル、長旅で疲れてない?」

「大丈夫。景色が新鮮で長野に着くのが楽しみで仕方ないから。」

「そっか。」

達也と話していたハルは窓の外の景色が少し白くなっていることに気づきました。

「ねぇ、達ちゃん、あれ雪じゃない?」

「本当だ!」

「こんなに晴れてるのに、溶けずに雪が残ってるなんて、向こうじゃ考えられない世界ね。」

「確かに。さすが雪国って感じだね。同じ日本のはずだけど、まるで別世界って感じだよ。」

「雪が見えてきたってことは、いよいよ目的地が近くなってきたんだよね。」

「うん、本当に長い旅だったけど、もうすぐ長野だね。」

「もうすぐ長野ね。長野ってどんなところなんだろう。」

「多分、この辺よりももっと雪が深いんだろうね。」

「一面、銀世界かなぁ。」

2人を乗せた特急列車は雪にも負けず、どんどん前へと進んで行きます。そして、周りの雪は列車が前に進めば進むほど、さらに深くなっていきました。

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