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はるのかぜ

第127章 今も燻る教師への思い

「じゃあ、早速、2人に業務について説明しようと思う。風間くんは仁からある程度の業務内容は聞いてるよね。」

「はい。」

「我々の業務は訪問サポートを行うことで、予約の入ったお客様の元へ出向いていくんだ。で、まず朝来たら、1日のスケジュールを確認する。予約が入った情報を元に松田さんが担当振り分けをしてくれて、そのファイルがこのパソコンに入ってる。」

聖は早速パソコンを操作します。

「ここでパスワードを求められるんだけど、このパスワードは入社時に配られた資料に書かれてるから、各自確認しておくように。」

「はい。」

達也も仁も頷きます。

「このスケジュール表はプリントアウトOKだから毎日印刷して持ち運んでるよ。」

聖はパソコンから印刷する操作をします。

「じゃあ、スケジュールがわかったところで、今からお客様の元へ訪問する。じゃあ、風間くんは私と、仁は隣にいる松倉さんと一緒に今からお客様の元へ向かおう。」

 その頃ハルは、買い物に行っていました。帰り道には中学校がありました。ハルが中学校のそばを歩いていた時のことでした。

「先生!」

突然、生徒が教師を呼ぶ声がしました。ハルはその声に思わず反応して振り向いたのでした。もちろん、生徒が呼んだのはハルではなく、その中学校の先生でした。しかし、その光景を見ていたハルは、呼ばれた女性教師が自分と同じぐらいの年頃であることに気づきました。すると、ハルの頭の中には突然、自分が受け持った3年5組の生徒との思い出が蘇ってきたのでした。

 ハルの心の中にはまだ教師への熱い思いが燻っているようです。

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