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はるのかぜ

第130章 最終章 最後もハルに春が来た

新年度に入り、教員採用試験を受けることにしたハルは毎日必死の思いで勉強していました。夏に入ってからは、筆記試験や面接が立て続けにあり、あっという間に月日は過ぎ去っていきました。

 そして、ある秋の日、採用試験の合格発表の日がやってきました。ハルと達也はパソコンを開き、インターネットで合格発表のページを見るための準備をしています。

「そういえば、前の合格発表の時も達ちゃんと一緒に見たよね。」

ハルはふと思い出したかのように言いました。

「そうだったね。確かあの時は吾郎ちゃんとえりりんも一緒だったよね。」

「そうそう。2人とも元気かなぁ。」

「本当、今頃何してるんだろう。今日は2人はいないけど、僕はあの時と同じように見守ってる。」

「うん。」

早速、ハルはサイトにアクセスし、自分の受験番号を探していきます。2人の間に緊張感が走ります。

「あった!」

「本当だ!おめでとう、ハル。」

「ありがとう。」

2人はしばらく抱き合って喜びました。

 4月になり、ハルは、買い物帰りに通りかかった桜奈(さくらな)中学への配属となりました。そして、初出勤の日がやってきました。

「ハル、そろそろ出ないと遅刻するよ。」

達也がそう言うと、ハルはスーツ姿で部屋から出てきました。

「お待たせ。」

「やっぱり、こうしてみるとハルは先生だね。今日からまた、生徒のためにしっかり尽くしてね。でも、前みたいに倒れないようにね。」

「大丈夫。今度は2年生の担任だって。」

「そっか。よし、じゃあ途中まで一緒に行こう。」

達也とハルは2人揃って家を出ました。

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