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はるのかぜ

第18章 天然キャラのハル

ハルの高校生活が始まって数日後、高校初の総合的な学習の時間がやって来ました。グループ分けされたチームごとに決められた教室へと移動することになり、ハルはコンピューター室へと向かいました。ハルは同じクラスの城島ミカ、山口彩の2人と同じ班に振り分けられていました。担当の国分(こくぶん)剛先生はコンピューター室にいる生徒全員に言いました。

「じゃあ、皆さんの活動のテーマは「環境問題について考える」です。直近の行事では文化祭がありまして、そこではこの総合的な学習の時間で調べていただいたことを模造紙等に書いて掲示していただきます。では、まず各班ごとに班長を決めて、ここに置いてある用紙に何について調べるか記入してください。」

早速、3人の打ち合わせが始まります。

「じゃあ、班長誰にする?」

最初に切り出したのはハルでした。

「ハルでいいんじゃない?」

ミカが言いました。

「私もハルがいいんじゃないかなぁって思う。」

彩も言いました。

「じゃあ、ハルに決まりだ。」

ミカのその言葉にハルも答えます。

「よし、じゃあ用紙貰ってくるね。」

そう言って席を立とうとしたハルはなぜかバランスを崩しました。とっさに手をついたところは隣にあった空いている椅子でした。キャスター付きのその椅子はハルの手の重みで後方へ下がり、ハルはその場に転倒します。

「ちょっと、大丈夫?」

笑いながらミカが言いました。さらに、その後を国分先生が笑顔で続けます。

「おいおい、コンピューター室で怪我するなよ!」

ハルの転倒騒動が落ち着いた頃、3人は調べる内容について打ち合わせを始めます。

「調べること何にしようか?」

早速、班長となったハルは2人を引っ張ります。

「環境問題よね。なんか再利用みたいなことしたくない?」

彩が言いました。

「じゃあ、廃油で石鹸作ってみたらどう?」

ミカが答えました。

「あっ、それ面白そう。」

ハルも共感します。

「じゃあ、ネットで作り方とか調べよう。」

ミカのその声で3人ともパソコンの画面を見つめ始め、廃油石鹸の作り方を調べ始めます。検索されたサイトを3人は1つ1つ慎重に見ていきます。

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