はるのかぜ
第1章 教師を目指す第一歩
授業終了後、掃除の時間となり、その間ハルは成田先生に職員室横の応接室に呼ばれました。
「大沢たちと何かあったのか?」
「放送当番の日、五月に給食のデザートをあげる約束をしてたんです。ただ、今日は私がうっかりしてて、先に声を掛けられた真美にあげちゃったんです。そしたら…。」
「大沢たちがお前に暴力を振るったって訳か。」
「はい。」
「そうかぁ。でも、お前はなぜ大沢とそんな約束したんだ?」
「放送当番の日、早く給食食べ終えないといけないでしょ。だから、私…。」
「大沢にデザートをあげてたのか?」
「はい。」
「なるほど。約束を破ってしまったのは確かによくないな。」
「す、すいません。なので五月にはすぐに謝りました。」
「でも、大沢はあんな行動を起こしたのか?」
「はい。」
「そこは、大沢たちにも問題はあると先生は思うな。約束を破ることは確かによくないが、人間時には過ちを起こすこともある。そんなときはきちんと謝る。お前はその当たり前のことはしている。にも関わらず、暴力を振るうのは問題だ。今回の件は、先生も一部始終を見てた。だから、大沢たちともうまく話してみる。」
成田先生のお陰で、五月たちとのトラブルは無事解決となりました。しかし、それから数ヵ月後のある日、ハルは再び辛い中学生活を送ることとなります。その日、少し風邪気味だったハルですが、放送当番のため放送室に入りスタンバイしました。開始時間になり放送のチャイムを鳴らしました。
「ただいまより…」
ハルはすぐにマイクのボリュームを下げました。第一声から声が裏返ってしまったのです。しかし、時すでに遅し、教室では大爆笑の渦でした。放送室にもその笑い声は聞こえており、ハルはすっかり青ざめてしまいました。
「大沢たちと何かあったのか?」
「放送当番の日、五月に給食のデザートをあげる約束をしてたんです。ただ、今日は私がうっかりしてて、先に声を掛けられた真美にあげちゃったんです。そしたら…。」
「大沢たちがお前に暴力を振るったって訳か。」
「はい。」
「そうかぁ。でも、お前はなぜ大沢とそんな約束したんだ?」
「放送当番の日、早く給食食べ終えないといけないでしょ。だから、私…。」
「大沢にデザートをあげてたのか?」
「はい。」
「なるほど。約束を破ってしまったのは確かによくないな。」
「す、すいません。なので五月にはすぐに謝りました。」
「でも、大沢はあんな行動を起こしたのか?」
「はい。」
「そこは、大沢たちにも問題はあると先生は思うな。約束を破ることは確かによくないが、人間時には過ちを起こすこともある。そんなときはきちんと謝る。お前はその当たり前のことはしている。にも関わらず、暴力を振るうのは問題だ。今回の件は、先生も一部始終を見てた。だから、大沢たちともうまく話してみる。」
成田先生のお陰で、五月たちとのトラブルは無事解決となりました。しかし、それから数ヵ月後のある日、ハルは再び辛い中学生活を送ることとなります。その日、少し風邪気味だったハルですが、放送当番のため放送室に入りスタンバイしました。開始時間になり放送のチャイムを鳴らしました。
「ただいまより…」
ハルはすぐにマイクのボリュームを下げました。第一声から声が裏返ってしまったのです。しかし、時すでに遅し、教室では大爆笑の渦でした。放送室にもその笑い声は聞こえており、ハルはすっかり青ざめてしまいました。