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はるのかぜ

第19章 頼りになるハル

翌朝、ホームルームが終わるとハルは職員室へと向かいました。ちょうど、ホームルームを終えて戻ろうとする国分先生の姿が見えました。

「国分先生!」

ハルのその声に国分先生は振り返ります。

「おぉ、内海かぁ!どうした?」

「昨日、家に帰ってからスーパーに電話して、廃油貰うことO.K.いただきした。」

「おぉ、そうか。」

「それで、1点お願いがあるんですけど、廃油が大きなドラム缶に入ってるそうなんで灯油ポンプみたいなのをお借りしたいんですけど。」

「灯油ポンプだね。わかった、放課後までに準備しておこう。」

その日の放課後、ハルはミカと彩を連れて、国分先生の元へやって来ました。

「先生、準備できたので、今からスーパーに行きたいと思います。」

ハルは元気よく国分先生に向かって言いました。

「おぉ、灯油ポンプが必要だったな。用意しておいたぞ!」

そう言うと、国分先生はハルに灯油ポンプを渡しました。そのあと、国分先生は続けます。

「おい、城島と山口。内海ばっか、仕事させないで、お前らもちゃんと動けよ。」

「陰ではちゃんとやってるんですよ。先生。」

ミカが答えます。

「ミカの言う通り。先生ひどいよ。」

彩が続けます。

「まぁ、裏でちゃんとやってるならよしとするか。じゃあ、内海、二人を頼むな。」

「はい。」

「先生だってハルを頼りにしてるじゃん!」

すかさず、ミカが突っ込みます。

「そう言われてみればそうだな。」

ハルはいつの間にか友達からも先生からも頼られる存在となっていたのです。ハルはミカと彩を連れてスーパーへと向かいました。

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