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はるのかぜ

第20章 3人で力を合わせて

ハルと彩とミカの3人は灯油ポンプを片手に学校近くのスーパーに向かいました。

「とりあえず、お総菜の売り場に行ってみよう。」

ハルがそう言うと、3人はお総菜の売り場に向かいました。すると、商品を並べている男性店員の姿がありました。

「ねぇ、あの人に聞いてみたらいいんじゃない?」

ミカがそう言いました。ハルは早速、その店員に声をかけました。

「すみません。昨日、こちらから廃油をいただきたいという連絡をしてたんですけど…。」

「あっ、青美高校の子たちだね。じゃあ、こっちに来てくれるかな?」

ハルたちは男性店員に案内され、無事に廃油を手に入れました。

翌日、ハルたちは化学教室にいました。

「よし、じゃあ必要な実験道具は使っていいと許可をもらったから、準備室から持ってきていいぞ。あと、これが苛性ソーダだ。」

そう声をかけたのは担当の国分先生でした。

「とりあえず、油の量、計ったほうがよさそうね。」

早速、班長のハルから動き始めます。

「量を図るなら…、メスシリンダーが必要ね。」

そう言うと、彩は準備室にメスシリンダーを取りに行きました。

「あと、加熱しなきゃいけないから、ビーカーとかも必要かも。」

ミカのその声を聞いて、ハルもミカと一緒に必要な実験道具を取りに行きます。一通り、準備の整った3人は油と苛性ソーダを入れた水を加熱し、しばらく混ぜました。

「すごい!なんか粘り気が出てきた!」

混ぜる係を担当していたミカが言いました。

「いい感じになって来たわね。じゃあ、後は容器に移しましょ。この牛乳パックがちょうど良いかも。」

ハルのその一声で、ビーカーで混ぜていた液体をミカが牛乳パックに移しました。そして、3人の様子を見ていた国分先生は言いました。

「よし、じゃあ、後は乾燥させるだけだから、今日の作業はこれで終わりだ。みんな、お疲れ様。3人ともよく頑張ったと思う。ただ、ここまで順調に進んだのは、班長である内海がしっかり動いてくれたからだ。2人とも内海には感謝しろよ。内海、ご苦労様。」

「ハル、ありがとう。」

「ありがとう。」

彩とミカが、国分先生の後に続けてお礼を言いました。この時ハルはなんだか達成感のようなものを感じていました。

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