テキストサイズ

はるのかぜ

第21章 ハルのノート

高校生活が始まって数ヶ月が経ちました。ハルはすっかり周りから頼りにされる存在となっていました。テスト週間が近づいたある日のことでした。彩がハルの元へやって来ました。

「ねぇ、ハル。英語の訳とかノートに書いてたりする?」

「うん、書いてるよ。」

「本当に!そのノート、ちょっと借りてもいい?」

「うん、いいよ。」

ハルが英語のノートを取り出し、彩に渡すと、彩はページをペラペラめくりました。

「すごい!完璧に書いてある。さすがハルだわ。早速、写させてもらうわ。」

それから、数時間後、芸術の選択教科が終わった後のことでした。美術を選択していた彩と愛が話しながら教室へ戻っていました。

「そう言えば、私、古典の訳とか全然書いてない!彩ってちゃんと書いてる?」

「そう言うのならハルに相談してみたらいいわよ。私もね、さっき英語のノート貸してもらったんだけど、あの子のノートは完璧よ。」

「へぇー、そうなんだぁ。よし、じゃあ私もハルに相談してみよう。」

その日の昼休み、愛はハルに声をかけます。

「ハル、古典のノート貸してもらえたりとかする?」

「古典?いいよ。」

するとハルは愛に古典のノートを差し出しました。

「ありがとう。助かるわ。」

テスト週間が近づくにつれ、みんなハルの元にやって来てノートを借りていくのでした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ