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はるのかぜ

第21章 ハルのノート

さらに次の日のことです。昼休み、有紀とハルがテストのことで話していました。

「昨日さぁ、家で数Ⅰの勉強してたんだけど、わからない問題があったの。私、テスト大丈夫かしら?」

「数Ⅰ?どんな問題?」

ハルがそう尋ねると有紀は自分の席に教科書を取りに行きました。

「この問題。因数分解の問題なんだけど、4x2乗-8ax-5a2乗を因数分解するとなんで(2x+a)(2x-5a)になるの?」

「あぁ、これね。これはこの公式を元にやればいいのよ。acx2乗+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)。」

「ん?」

ハルは理由を説明しますが、有紀の表情は曇ったままです。すると、ハルはさらに説明します。

「まだ、ピンと来てないみたいね。じゃあ、まず因数分解って展開の逆じゃない?私、問題出すから、まず展開してみてよ。」

そう言うと、ハルはルーズリーフを取り出し、問題を書き始めました。どうやらハルは有紀に数学を教えるつもりみたいです。

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