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はるのかぜ

第26章 教育実習生がやって来る

「なるほど。なんとなくやり方わかったわ。」

「じゃあ、今度はこっちのbベクトルの成分と大きさ求めて見てよ。」

「えっーと、bベクトルはこっちに向かってるから成分は(-1,3)で、大きさは√(-1)の2乗+3の2乗で√10でいい?」

「正解。」

「やったぁ。ハルのおかげで理解できたわよ。ありがとう、ハル。」

有紀がそう言った直後、チャイムがなり、担任の国分先生が教室に入って来ました。

「起立、気をつけ、礼。」

学級委員が号令をかけ、帰りのホームルームが始まりました。

「よし、伝達事項は1点だけだ。来週からこのクラスに教育実習の先生が来られることになった。教科は政経の担当だ。」

「男の先生ですか、女の先生ですか?」

真っ先に食いついたのは彩でした。

「気が早いな山口。男の先生だ。」

「教育実習生ってことは大学生ですよね。」

ミカも興味津々で国分先生に尋ねます。

「そうだよ。これから、先生を目指して頑張ってるまさに教師の卵だ。みんな、よろしく頼むぞ!」

男性教師と聞いて、女子生徒は特に大興奮していました。果してどんな先生がやって来るのか、ハルも楽しみでなりませんでした。

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