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はるのかぜ

第27章 教育実習生がやって来た

国分先生の姿を見た生徒たちは急いで自分の席に着きます。

「じゃあ、この辺でお待ちください。」

国分先生は松岡先生を教室前側の空きスペースに待機させました。

「よし、じゃあ号令をお願いします。」

「起立!気をつけ、礼。」

「おはようございます。」

「おはようございます。」

「じゃあ、先週予告したように、今日から教育実習の先生が来られてる。早速、自己紹介をしてもらおうと思う。先生、お願いします。」

松岡先生は教壇に立ちました。

「おはようございます。今日から教育実習生としてお世話になります、松岡州和と言います。皆さんの政治・経済の授業を担当させていただきます。2週間という短い期間ですが、どうぞよろしくお願いします。」

松岡先生はそう言うと、すぐに国分先生にバトンタッチしました。

「はい、先生ありがとうございました。今日は初日ですけど、今後はこの朝のホームルームも担当していただこうと思ってる。もちろん、みんなの政経の授業も担当してくださる予定だ。よし、じゃあ、今日は最後によろしくお願いしますの挨拶をみんなでしよう。じゃあ、再度号令を。」

「起立!気をつけ、礼。」

「よろしくお願いします。」

生徒たちは声を揃えて挨拶をしました。高校に入ってから、有紀をはじめとする友達に、数学を教える機会の増えてきたハル。そんなハルはいつしか、自分も教師になりたいという気持ちが芽生えていたのです。今日やって来た松岡先生を見たハルは、自分もいつかこうやって、教育実習生となる日が来るんだろうなと思っていました。

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