はるのかぜ
第31章 電話で数学
高校3年生となったハルですが、テスト前の忙しさは今までと全く変わりません。
「ねぇ、ハル。Readingのノート貸してもらえる?」
ミカがそう話しかけます。
「Readingね。はい。」
「ありがとう。」
テスト前になるとみんながハルの元へノートやワークを借りに来るというのが、いつしか恒例行事となっていました。
夕方、ハル自身もテストに備えて自分の部屋で勉強していました。すると、ドアをノックする音が聞こえ、ハルの母、弥生が入ってきました。
「ハル、有紀ちゃんから電話よ。」
「えっ?有紀から?」
携帯の番号を知ってるであろう有紀がハルの自宅に電話をかけてきたことに、ハルは驚きを隠せませんでした。
ハルは急いで受話器を取りました。
「もしもし?」
「あっ、ハル?いきなりごめんね。ちょっとさっきまで数Ⅲの勉強してたんだけど、どうしてもわからない問題があって、教えてほしいなって思って電話したの。」
「電話で数学?」
「やっぱ、難しいかなぁ?」
「正直苦しいところもあるけど、やれるだけやってみる。じゃあ、教科書持ってくるからちょっと待ってて。」
そう言うとハルは数Ⅲの教科書を自分の部屋に取りに行きました。
「お待たせ。どこの内容?」
「えーっとね、42ページの例題8のところ。」
「あぁ、極限値の問題ね。」
「私、極限値の意味がわかってないのかもしれない。」
「じゃあ、40ページに戻ってみて。」
「40ページね。了解。」
「あと、電卓用意できる?」
「電卓ね。あるよ。」
「よし、じゃあ、準備万端だわ。じゃあ、40ページだけどここにはy=x2乗-3xって式があるわね。じゃあ、この式のxに例えば1を代入すると答えはいくつになる?」
「1を代入すると…-2になったわ。」
「そうね。じゃあ、例えば同じ式に今度は0.5を代入してみて。計算は電卓使っていいから。」
「えーっと、-1.25になったわ。」
「じゃあ、今度は0.7を代入してみて。」
「0.7ね。答えは…-1.61。」
「じゃあ、最後に0.9を代入してみて」
「0.9を入れると…-1.89。」
「ねぇ、ハル。Readingのノート貸してもらえる?」
ミカがそう話しかけます。
「Readingね。はい。」
「ありがとう。」
テスト前になるとみんながハルの元へノートやワークを借りに来るというのが、いつしか恒例行事となっていました。
夕方、ハル自身もテストに備えて自分の部屋で勉強していました。すると、ドアをノックする音が聞こえ、ハルの母、弥生が入ってきました。
「ハル、有紀ちゃんから電話よ。」
「えっ?有紀から?」
携帯の番号を知ってるであろう有紀がハルの自宅に電話をかけてきたことに、ハルは驚きを隠せませんでした。
ハルは急いで受話器を取りました。
「もしもし?」
「あっ、ハル?いきなりごめんね。ちょっとさっきまで数Ⅲの勉強してたんだけど、どうしてもわからない問題があって、教えてほしいなって思って電話したの。」
「電話で数学?」
「やっぱ、難しいかなぁ?」
「正直苦しいところもあるけど、やれるだけやってみる。じゃあ、教科書持ってくるからちょっと待ってて。」
そう言うとハルは数Ⅲの教科書を自分の部屋に取りに行きました。
「お待たせ。どこの内容?」
「えーっとね、42ページの例題8のところ。」
「あぁ、極限値の問題ね。」
「私、極限値の意味がわかってないのかもしれない。」
「じゃあ、40ページに戻ってみて。」
「40ページね。了解。」
「あと、電卓用意できる?」
「電卓ね。あるよ。」
「よし、じゃあ、準備万端だわ。じゃあ、40ページだけどここにはy=x2乗-3xって式があるわね。じゃあ、この式のxに例えば1を代入すると答えはいくつになる?」
「1を代入すると…-2になったわ。」
「そうね。じゃあ、例えば同じ式に今度は0.5を代入してみて。計算は電卓使っていいから。」
「えーっと、-1.25になったわ。」
「じゃあ、今度は0.7を代入してみて。」
「0.7ね。答えは…-1.61。」
「じゃあ、最後に0.9を代入してみて」
「0.9を入れると…-1.89。」