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はるのかぜ

第31章 電話で数学

「うん。合ってる。今、何をしてもらったかって言うとxに入れる値を0.5、0.7、0.9って感じに1に近づけていったの。そしたら、答えは-1.25、-1.61、-1.89みたいに1を代入したときの-2に近い値になってるでしょ。」

「確かに。」

「つまりこの式はxを1に近づけていくと答えは-2に近くなってくる。だから-2がこの式のxを1に近づけていった時の極限値ってことになるのよ。」

「なるほど。」

「そして今回みたいにy=x2乗-3xのxを1に近づけるって言うことを、リミットの頭文字limって書いて
、その下にx→1って書いて、その横に(2乗-3x)って書いて表すの。あとは答えが-2に近づくから「=-2」って書いてあげると、この式のxを1に近づけていくと答えは-2に近づくよって意味になるのよ。ここまでは大丈夫?」

「うん。理解できた。」

「じゃあ、次の41ページにはわりと簡単な例題があるわよ。例えば(1)の問題。この問題はリミットの下にx→2って書いてあってその横の式がx2乗+3x-4って書いてあるでしょ。この問題はx2乗+3x-4のxを2に近づけた時の極限値を求めてくださいって言う意味ね。だから、実際にxに2を代入して計算してみると6になるでしょ。これがこの式のxを2に近づけた時の極限値よ。」

「そっか。つまり極限値を求める時はlimの下に書いてある数字を式に代入すればいいのね。」

「その通り。じゃあ、大分わかってきところで、本題に行くわね。42ページの例題8も極限値を求める問題なのよね。ただ、(1)の問題の場合x3乗+1/x+1って式で、limの下に書いてある-1をこのまま代入しちゃうと、分母が0になるでしょ。」

「うん、そうね。」

「中学校の時に習ったと思うけど、分母が0の分数って成り立たないの。」

「うん、それは覚えてる。」

「だから、こうやって代入すると分母が0になるときは、代入する前に式を変形させるの。」

「変形?」

「例えば、今回のx3乗+1/x+1だけど分子のx3乗+1に注目すると1年の頃にやった因数分解の公式、a3乗+b3乗=(a+b)(a2乗-ab+b2乗)に当てはめることができるの。だからこれを因数分解すると(x+1)(x2乗-x+1)/x+1になるでしょ。」

「そうね。」

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