はるのかぜ
第2章 同じゴールを目指す友
前田先生の励ましにより、ハルは放送部を続けていました。特に体育祭での放送は大成功を収め、それと同時にハルをからかう者も徐々に減っていきました。
中学生活1年目が終わろうとしているある日のこと。ハルの母、弥生が言いました。
「ハル、あんた高校受験に備えて塾に行ってみたらどう?」
「塾?」
「うん、高校受験するなら学校の授業だけじゃ難しいと思うの。だから早いうちに対策練っておいたほうがいいんじゃない?」
そう言うと弥生は塾のチラシをハルに差し出しました。ハルはそのチラシの内容をひたすら眺めていました。
それから数週間後、ハルは塾の教室に居ました。ハルの家からは徒歩圏内にある塾でしたが、意外にもハルと同じ学校の親しい友達は少く、少し緊張していました。
ある休み時間、すでに塾に中1の頃から通っていた高橋有紀と岡本愛は塾の前にある自動販売機でコーラを買いました。教室に戻った有紀は蓋を開けて飲もうとしました。しかし、蓋を開けた瞬間、パン!っという音がして、やがてシュワーっと言う音に変わっていきました。
「キャーッ。爆発しちゃった。」
有紀は叫びました。
「大変。大変。」
愛も慌てます。近くにいたハルもその音にはびっくりして、振り向きました。見ると泡をたてたコーラで壁が汚れていました。
「これ使って!」
すぐさまハルは持っていたポケットティッシュを差し出しました。
「ありがとう。」
そう言うと有紀はハルの差し出したティッシュを受け取り、すぐに壁を拭き始めました。愛とハルも一緒に手伝い始めます。3人が必死で掃除していると次の授業を担当する美輪由一(よしかず)先生が教室に入ってきました。
「また、バカなことしてから。」
有紀たちの行動を見た美輪先生は言いました。
「何もしてないし。ただ、買ってきたコーラ開けたら爆発しただけ。」
有紀は言い返します。
「ちゃんと拭いとってよ。すぐシミになるんやから。」
美輪先生は方言丸出しで言いました。
中学生活1年目が終わろうとしているある日のこと。ハルの母、弥生が言いました。
「ハル、あんた高校受験に備えて塾に行ってみたらどう?」
「塾?」
「うん、高校受験するなら学校の授業だけじゃ難しいと思うの。だから早いうちに対策練っておいたほうがいいんじゃない?」
そう言うと弥生は塾のチラシをハルに差し出しました。ハルはそのチラシの内容をひたすら眺めていました。
それから数週間後、ハルは塾の教室に居ました。ハルの家からは徒歩圏内にある塾でしたが、意外にもハルと同じ学校の親しい友達は少く、少し緊張していました。
ある休み時間、すでに塾に中1の頃から通っていた高橋有紀と岡本愛は塾の前にある自動販売機でコーラを買いました。教室に戻った有紀は蓋を開けて飲もうとしました。しかし、蓋を開けた瞬間、パン!っという音がして、やがてシュワーっと言う音に変わっていきました。
「キャーッ。爆発しちゃった。」
有紀は叫びました。
「大変。大変。」
愛も慌てます。近くにいたハルもその音にはびっくりして、振り向きました。見ると泡をたてたコーラで壁が汚れていました。
「これ使って!」
すぐさまハルは持っていたポケットティッシュを差し出しました。
「ありがとう。」
そう言うと有紀はハルの差し出したティッシュを受け取り、すぐに壁を拭き始めました。愛とハルも一緒に手伝い始めます。3人が必死で掃除していると次の授業を担当する美輪由一(よしかず)先生が教室に入ってきました。
「また、バカなことしてから。」
有紀たちの行動を見た美輪先生は言いました。
「何もしてないし。ただ、買ってきたコーラ開けたら爆発しただけ。」
有紀は言い返します。
「ちゃんと拭いとってよ。すぐシミになるんやから。」
美輪先生は方言丸出しで言いました。