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はるのかぜ

第34章 残り少ない高校生活

三者面談終了直後、長瀬先生の元へ学年主任の坂本春恵先生がやって来て言いました。

「長瀬先生、内海親子の面談大変だったそうですね。」

「えぇ、進路のことで、元々揉めてたようで。」

「この時期の面談では、決して珍しいことではないんですけどね。」

「そうですね。確かに毎年そんな親子は何人かいますからね。」

「ただ、正直、もう時間はあまり残されてはいません。早いうちに内海の進路、決めてあげないといけないですからね。」

「そうですね。ひとまず今日は2人とも冷静さを失ってますので、明日以降本人にも親にもコンタクトをとってみます。」

「お願いします。私も何かあったらフォローしますので、遠慮なく言ってくださいね。」

「ありがとうございます。」

それから数日後、進捗に変化がないことが気になった長瀬先生は、自分の空き時間を利用して、ハルの母、弥生に電話をしました。

「青美高校の長瀬です。」

「あっ、先生。先日は面談中に大変失礼しました。」

「とんでもないです。進路を決める大事な場面ですから、ハルさんにも、お母さんにも色々思いがあることでしょうから。それで、その後、ハルさんとはいかがでしょうか?」

「本当にお恥ずかしい話ですが、なかなか上手く話が進んでいない状況です。」

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