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はるのかぜ

第37章 道は繋がっていた

涼や麻里と仲良くなったその日、ハルたちは新入生歓迎セミナーというイベントがあり、国民宿舎、海峡ビューへと向かいました。夕方、学生たちは井ノ原先生の部屋に集合し、履修科目の選択について説明を受けていました。

「そしたら、履修希望の科目はこの履修申告シートに記入をしていただきたいと思います。基本的にどの科目を絶対選択しなければならないという決まりはないけど、取得を考えている資格によっては必須科目になってるものもあります。詳しくは、今朝配られたこの学生便覧という資料に載ってるので、これを元に履修科目を選択してください。できたシートは明日以降、事務に提出します。」

井ノ原先生の説明を受けて、そこにいた学生たちは慎重に履修科目を選択していきます。もちろん、ハルもです。必死に学生便覧に目を通していたハルは、次の瞬間、興味を引く文字を見つけます。

「教職コース 取得可能な資格:中学校教諭一種免許状(数学)高等学校教諭一種免許状(数学)高等学校教諭一種免許状(情報)」

そうです。ハルが高校時代から興味を示していた数学の教員免許が取得できるコースがあったのです。ハルの道はまだ繋がっていたのです。すぐにハルはそのページに書かれていた履修科目を選択していきました。

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