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はるのかぜ

第37章 道は繋がっていた

履修申告シートを書き上げたハルは、涼と麻里と一緒に宿舎内にある大浴場へと向かいました。山の上にある国民宿舎の大浴場からは関門海峡の景色が見渡せる作りになっていました。

「こんな眺めが見渡せるなんて、下関って最高ね。こんなところで育ったハルが羨ましいわ。」

涼が言いました。

「とんでもない。地元民の私からしたら、もう見慣れた景色って感じよ。私も長年下関に居るけど、正直、ここに来たのは初めてよ。」

ハルのその申告に今度は麻里が答えます。

「えーっ、勿体ない。」

「2人だってそうじゃない?自分の地元の観光地とか旅館とかって近くてもいかないでしょ?それと同じよ。」

「確かにそうね。」

涼は納得したように。

「でも、なんか下関にしてみてよかった気がする。」

今度は麻里が答えます。

「私も。下関ってなんか特別田舎って感じではないけど、都会でもないから、住みやすそうな感じがする。」

涼も頷きます。

「確かに。長く住んでる私も、悪いところではないと思うよ。」

ハルも納得した様子で答えました。こうしてハルは目指していた道も新しい友達も見つけることができたのです。

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