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はるのかぜ

第39章 笑顔の絶えない居場所

FM制作部の見学に行った日の夜、ハルは早速ラジオの電源を入れました。
そして、午後8時の時報が鳴り、番組が始まりました。

「さぁ、本日もやって来ました。金愛大学、Golden Timeのお時間です。本日のお相手はマボとニノとタッキーです。」

その日は男性メンバー3人が担当していました。まだ、番組が始まって数分ですが、3人のトークのうまさにハルは感動していました。

翌日の昼休み、ハルは再びFM制作部の部室に向かいました。中に入ると昨日は見かけなかった男子学生がいました。

「あのー、昨日の夕方、見学させてもらった者なんですけど。」

初めて見る男子学生にハルは少し警戒しながら声をかけました。

「1年生かい?」

そう言う男子学生の声にハルはなんとなく聞き覚えがありました。

「はい。」

男子学生の声かけにハルは頷きます。

「そっか。昨日、一通り部室の中は見たのかな?」

「はい。」

2人がそんなやり取りをしていると、部室の扉が開き、数名の学生が入ってきました。その中の一人がハルの姿を見るなり言いました。

「あっ!君は確か昨日の…。」

そう言ったのは、昨日ハルが見学に来た時に居た、櫻井延秀でした。

「昨日はお世話になりました。」

「また、来てくれるとは、かなりやる気だね。」

「はい。昨日あれから、番組聴きました。そしたら、益々興味が湧いて。」

「そっか。なら、ちょうどよかった。彼が現在の部長だ!」

一緒に部室に入ってきた数人のメンバーのうち、延秀は一人の男子学生の肩を叩きました。

「はじめまして。今井拓哉って言います。」

「内海ハルです。」

「一緒にラジオ、作ってみたいかい?」

「はい。」

ハルは拓哉の問いかけに頷きました。

「よし、じゃあ、これが入部届だ。ここに名前を書いてくれるかな?」

そう言うと拓哉はハルに1枚の用紙を差し出しました。

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