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はるのかぜ

第43章 次のステップへ

その日の夜、ハルは先輩たちが出演する番組を聞いていました。ラジオからは慎吾と泰伸の声が聞こえます。

「さぁ、本日もやって参りました。金愛大学Golden Timeのお時間です。本日、金曜日のお相手は私、ウッチーと」

「マボです。」

「はい、よろしくお願いします。さて、季節はすっかり夏ですけど、マボは夏をしっかり満喫してますか?」

「そうだねぇ。なんか、夜更かしの癖が付いちゃいました。」

「コラ!いきなり悪いこと言うね!」

「いやー、やっぱ夏は日が長くなるじゃん。だからね、ついつい夜更かししちゃう訳よ。」

「まぁ、確かに気持ちはわかるよ。でも、夜更かしし過ぎて寝坊とかしてないよね。」

「それがね、マボは睡眠時間多少削っても大丈夫なタイプなんだよ。」

「あっ、それ、羨ましいなぁ。ウッチーはどちらかと言うと寝ないとダメなタイプなんで、夜更かししたら、多分寝坊します。」

「健康的な体だね。」

「そうだね。まぁ、こんな感じに我々も夏を満喫しているというお話をしましたが、ラジオの前の皆さんはいかがお過ごしでしょうか?今日も夏真っ只中ですが、皆さんの心が涼しくなるような1時間をお送りしたいと思います。」

「ハードルあげるねぇ。」

「だって、暑苦しくなる番組なんか聞きたくないでしょ。とりあえず、今日のラインナップ見てもらったらわかるから、早速ラインナップ紹介に行きましょう。」

季節は気づけば夏です。慎吾と泰伸の会話を聞いていたハルは改めて自分のパーソナリティデビューが一歩一歩近づいていることを実感したのでした。

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