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はるのかぜ

第44章 メインはどっち?

拓哉から次のステップに移行することを告げられて、1週間後のことでした。授業を終えた直後のハルは麻里と涼と雑談をしていました。

「あぁ、この時間の授業、本当に眠い。」

涼が言いました。

「わかる。お昼食べたばかりだもんね。」

麻里も答えます。

「ねぇ、次、空き時間だけどどうする?」

涼が尋ねます。

「暇だし、ちょっと家に帰ろうかなぁって思う。ハルはどうするの?」

麻里がハルに尋ねました。

「私、これからFMの練習なの。」

「あっ、そうなんだぁ。」

麻里がそう言った直後、ハルの背後から誰かがハルを呼びました。

「ハル!」

「達ちゃん!」

声の主は達也でした。ハルと同じ学部の達也はたまたま同じ授業を受けていたようです。

「今から、練習だよね。今井先輩から今日はハルとやるって聞いたよ。」

「うん。ちょうど、私も部室に行こうかなぁって思ってた所。」

「じゃあ、私たちは一旦家帰るね。」

涼はそう言うと、麻里と一緒に去っていきました。

「うん、じゃあまた後でね。」

「なんか、割り込んだみたいで、悪いことしちゃったね。」

「大丈夫、大丈夫。今から練習だって話してたところで、別行動になることはお互いわかってたし。」

「そっか。なら、良かった。」

「とりあえず、部室行こう。先輩たちも待ってると思うし。」

「そうだね。」

ハルは達也と喋りながら部室へと向かいました。

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