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瑠奈。

第5章 歓迎会

大森署長は山岸から聞いた話を高山警部補に話した。

高校1年で監督に処女を捧げた事。
妊娠して中絶したこと。
架空のレイプ事件として署長が処理したこと。
結局のところ、先輩と山岸と二股をかけていたこと。

言い回しや細かな経緯が山岸によりデフォルメされて全く違うが大まかな部分は全部事実通りだ。

『…だから、僕もいいと思ったんだ。ねっ。君も男なら分かるだろ?ねっ…』

高山警部補は黙って立ち上がると、寝ている瑠奈の陰毛に乾き始めた白濁液をティッシュに取り、写真を撮る。

『署長…この体液を私にDNA鑑定に出させないで下さい。今後、小泉巡査にこのようなこと強要するようであればこれは証拠として提出します』

『わ、分かった!分かったよ…隠してくれてありがとう』

大森署長は自分がした事の重大さに気付き土下座をしてからホテル代も払わず逃げるように部屋を後にした。

署長が退散してから具合悪そうに寝る小泉巡査に目をやる…

『また捨て犬の裸を見るとは…はぁ〜…なんでこいつはこうも無防備なんだ…』

呆れたようにため息をついてからラブホのバスローブを着せると上から布団を掛けてやり、自分は冷蔵庫から缶ビールを取り出しソファーに座って飲み始めて…捨て犬捜索の疲れがドッときてそのまま眠ってしまう…


朝方、先に目を覚ました小泉巡査が頭が痛いのを押さえながら体を起こすとソファーに寝ているあの素っ気ない態度の高山警部補を見つける…

部屋を見渡すとラブホだと分かる。
経緯は分からないが、分かっているのはバスローブの下は裸で股間に性交した後の感覚があるということ。

もしかして、高山警部補と?!いや、でも歓迎会には来ていなかった筈…

グルグルする頭を巡らせていると高山警部補が目を覚ます…

高山『んふぁ〜っ…起きたか?』

小泉「おはようございます!」

高山『呑気なもんだな…』

小泉「はいっ!すいません…えへっ」

高山『お前…男と女がラブホに2人きりだぞ?もっと緊張感を持て!』

小泉「はいっ!高山警部補は…朝からされるのが好きなのですか?ドキドキしてます!」

高山『そういうことじゃない!懐くな…』

頭を抱える高山警部補…しかしその瞬間、瑠奈は電撃が走るようだった。自分の体を洗ってくれた人、あの人の口振りを思い出し、声まで一緒だと気付いてしまった。鼓動が早くなる…

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