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瑠奈。

第8章 追跡

後日、潜入捜査を目論んで橘の事務所へ向かい中へ入ると高山警部補と橘の嫁、そして事務所所属の若いAV女優がなにやら話をしていた…

会話に入り話を聞こうとすると、高山警部補が突然照れ臭そうに声を掛けてくる

高山『小泉巡査!今度…うちで、鍋でもやらないか?』

小泉「へっ?行きますっ!自分、鍋作ります!今からでも…よっ、よろしいんですか?」

高山『あぁ…先に行っててくれ。』

瑠奈はもう会話などどうでもよくなっていた。高山から合鍵と住所を書いた紙を受け取った。

高鳴る胸を抑えながらスーパーに寄り、鍋の材料とフリフリのついたエプロンを買うと高山の部屋に向かい合鍵を使って入る。

センスの良い無駄のないシンプルな家具は男らしいチョイスで男の部屋という感じなのにキッチンは使いやすいシステムキッチン…しかし…

小泉「全く…こんなに散らかして…」

ガラステーブルには捜査資料が広げたまま床にファイルが崩れ落ちていて、経済新聞は何日分も溜まりっぱなし…

小泉「まず、片付けますか」

気合を入れるとジャケットを脱ぎ、シャツの袖を捲って新聞を集めてまとめるとビニール紐で結び廊下に出し、ファイルは日付順に黒い棚に並べる…

ガラガラッ…

偶然、棚が横にズレると隠し部屋を見つけてしまう…

中には真っ赤なX磔台と黒い拘束椅子…ビニールマットレスや大人の玩具の数々…麻縄や鞭、使用途中の低温蝋燭がある…

高山警部補もこんな趣味があるのかと意外な一面を見る一方で、シュシュや片方だけのピアスを見つけるとそういう相手が居るのかと思い胸が締め付けられる…

初めて男の人を好きになったと気付いた。
同年代から老人まで、数々の男性と性交し、経験人数はもう…数えきれない程なのに、こんな気持ちになったのが初めてなんて…そう思いながら高山警部補の役に立ちたい、彼の為に尽くしたい…そう思っていた。

部屋と隠し部屋の掃除を済ませ、鍋を煮込んで出来上がる頃に玄関を開ける音がした。

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