Melty Life
第3章 春
そんなに太いもの、入ら、ない。拒絶したのは、もっと他の言葉だった覚えがある。もっとも小野田は、この時もあかりに恩を着せて、目前の少女が怖がれば怖がるほど愉悦に酔った。
ぬらぬらと黒光りしたディルドは、閉じる術のないあかりの肉薔薇の襞をなぞって、クリトリスを拷問した。
痺れるような快楽が、総身を突き抜けていった。小野田のキスが悲鳴を塞いで、彼女の舌が、猥雑な罵倒が、呻吟を押さえた。
抗議など吐き出せなかったまま、ズブズブッッ……と、何かがあかりを切り裂いた。
ぬちゃ、ぬちゃ…………
みだりがましい効果音が、耳に異様に大きく響く。小野田はディルドを上下に動かして、膣壁をこすって、深い場所まで突き上げた。
…──あ"あ"!!あんっ……ァっ……あああっ…………
何もかも罰だと思った。代償だった。何もないはずの日々の先に、一つのものを望んだ代償。
激痛によがっていた自分自身が気持ち悪かった。
冬の寒気が過ぎ去る季節、小野田が転勤していくまで、あかりは彼女の言いなりだった。
時に、小野田はSNSで集めた複数の女達が観ている前であかりを犯して、彼女らに自慰をさせる宴を開いた。丑三つ時近くまで、後ろ手に手錠を嵌めたあかりが裸体の小野田を舌で慰めた夜もあれば、小野田が休暇を在宅で過ごす間中、あかりが乳首とクリトリスにローターを貼りつけられていたこともあった。小野田の味は、すみずみまで覚えている。受験勉強の必要がなくなっても、小野田に救済された日々を振り返ると、あかりは彼女を蔑ろに出来なかった。小野田があかりの窪みという窪みを拓いたように、あかりは小野田の排泄物の舌触りまで覚えている。
誰も助けてくれない。他人に期待して求めても、何も変わらない。人間は、味方など得ないで生きて、きっと味方など得ないで土に還る。