Melty Life
第3章 春
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「はい」
「助かったぜぇぇえええ!この借りは、必ず返す!」
千里の体操着を宝物のように握り締めて、ゆうやは相好を崩した。
予鈴に急き立てられるようにして、千里はゆうやと生徒達の波に揉まれて、慣れ親しんだ校舎に戻った。
体操着を貸したところで、千里はゆうやの尋問を免れなかった。あかりと何を話していたか、どういう経緯で泣かせたのか、問いただすと、それではお前は何故覗き見していたのかと、逆に千里が尋問を受けることになった。
「ゆうやを探してたんだ。忘れ物をしたってLINEが来て、すぐに行ってやったのに、教室いないし」
「悪かったな、先に飯食ってたら、クズみてぇな生徒に会っちまってな。手間取られた」
「後輩にそういうこと言うの、良くないよ」
「宮瀬じゃねーよ。マジ、クズだった。説教かましてやった」
「何かあったの?」
ゆうやは、テラスで昼食をとっていたらしい。千里もそこには立ち寄っていたが、すれ違っていたようだ。