Melty Life
第1章 告白
「っ……!」
「花崎先輩の存在に、ちょっと前、救われたことがあります。お互い全然知らない同士だから、少しだけ時間が欲しいです。世界で一番、先輩のことを幸せにします」
「宮瀬、さん……」
水和はそこいらの少女達とは違う。
放送室で、来須達の告白シーンを打ち切らせるためだけに、あかりが避難指示を依頼したあの上級生とは違う。彼女なんかは、一度関係を持ってあげるから、とささめいただけで、あかりの思い通りに動いてくれた。
許せなかった。ただ学年が、クラスが同じというだけで、来須か竹邑が水和と恋仲になったのでは、たまらない。
「おいグォラ待て!!」
「待って、花崎さん……」
並んだ塀の死角から、人影が二つ飛び出してきた。
来須千里と、竹邑ゆうやだ。
「おいコラ、貴様何様だ?!」
「ゆうや」
あかりに詰め寄ってきた竹邑を、来須が抑えた。
帰ったはずの男ら二人の登場に、水和が目を丸くしている。来須は自分より大柄な同級生に全く動じず、慣れた様子で竹邑を宥める片手間に、水和に目で謝罪していた。