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また会える日まで

第1章 その時は突然に

いつからおかしかったんですか?

そう尋ねると、1ヶ月より前からだ、と大野さんは答えた。


そんなにほかっといたって考えると、気づけなかった自分が情けない。








看護師さんがノックと共に入ってきて、大野さんと診察室へ向かう。

部屋の前に着くと、



智「ありがとニノ、こっからは1人で行くから。」


「ん、わかった。さっきの部屋にいるからね…」



そう言って扉の前で別れた。



さっきまでいた部屋に戻ると、ゲームを始める。









赤い帽子をかぶったヒゲのおじさんが走り回っている。

集中できずに、何回もゲームオーバーの曲が流れる。



・・・平常心でなんて居られるわけがない

けど、大野さんのことだからきっと

「疲労だった」ってヘラヘラして出てくるんだろうな。




「…大丈夫だよな。」





そう自分に言い聞かせる。


「連絡入れとくか・・・」


そうつぶやき、5人のグループメールとは別に

大野さん以外の4人のグループを作る。




『お疲れ様でした、今病院に来てます。大野さんは診察しています。

1ヶ月以上前から体がおかしかった様子でした。また、分かり次第連絡します』









送信っと…









どうか、

どうかお願いします








俺達の居場所、日常を奪わないでください。


まだまだ道半ば

もう少しだけ、俺たちに夢を見させて下さい。

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