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また会える日まで

第1章 その時は突然に

Oside



車に乗り込んで、心配そうに俺の顔を覗き込むニノの頭を撫でて、話し始めた。



「俺さ…







癌、なんだって。」









和「え…?うそ、でしょ?」









目を見開いてまっすぐ俺を見つめるニノ。



そりゃ、そうだよな。


昨日まで普通に生活してて、仕事してて、普通に笑ってて。









なのに今日病院行ったら癌だなんてさ。









はい、そうですかって、納得出来ないよな。







「あのね、骨肉腫って言う骨のガンなんだ。

俺の場合は膝にあって、まだ転移はしてないんだけど、

ステージ2まで進んでるんだって。

骨は血管とか通ってるから、肺に転移しやすいの。そこまで行っちゃうと危ないから

明日から入院、してほしいって…」





他人事のように、いつもじゃ考えられないくらいに

スラスラと話す自分が少し気持ち悪くも思えた。



「仕事のことも、これからのことも


すぐにでも話し合って決めなきゃいけないのかな・・・」





そこまで話終えると、ニノがそっと俺の手を包んでくれた。





話してるうちに力が入ってたみたいだった。









和「辛…かったね…っ、っく…大丈夫だよ…、絶対、治るから。ね?」









「ニノ…ありがとう…。俺、頑張るから…」









和「明日ちゃんと、メンバーに話そうね…。大丈夫だからね、リーダー...」









そうだ。治療すれば治るんだから…









俺が弱気じゃダメだ。









病気になんて絶対に負けない。








ニノより先にマネージャーに送ってもらい、家に着いた。








頑張るとは決めたものの、何もやる気が起きず


着の身着のまま、布団の中に入った。

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