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また会える日まで

第2章 どんなに辛くても

Oside



話し終わって、みんなの顔を見渡す。




驚いている顔、悲しい顔、


複雑な表情の4人を見ると


申し訳ないという気持ちが混じって


すぐに目線を外してしまったけど。








「あー・・・、今日はこのまま、帰るね。


それから、病院に向かう・・・







しばらく仕事には出てこられなくなっちゃうけど







絶対に、負けないから。」



和「負けたら許さないから・・・追いかけるかんな?」


ニノはそう言っていつもの調子で笑ってる。


翔「智くんの好きなもん、差し入れするわ!」


雅「俺も!何がいいかなぁ、スイーツとかかなぁ」


潤「翔さんと相葉さん、絶対めちゃくちゃな量もってくでしょ(笑)」






なんだかいつもの皆に戻った気がして

嬉しくなった反面

明日からここに居られないという思いが込み上げて

少しだけ悲しくもなった。


皆のやり取りを見てるだけで

こんなにも幸せになれるんだなぁ。



まだここに居たい気持ちをぐっとこらえ

俺は楽屋を出た。







.







.







.





マネに家まで送ってもらって

入院生活に必要なものを詰めたカバンを手に取る








「この家とも…しばらくお別れか…」









俺は1度ソファに座った。

…休業の報告もしないと。








ペンを手に取り、文章を書き始めた。







『嵐の大野智です。



この度血液の癌である、骨肉腫にかかってしまったため

回復するまで無期限休業という形でお仕事を休ませていただきたいと思います。

ファンの皆様、仕事の関係者の方、事務所に多大なご心配、ご迷惑をおかけします事を

心苦しく思いますが、必ず帰ってきます。』









よし。これでいいか。









マネの待つ車へ乗りこみ、

さっき書いた文書を渡す。


「あのさ、これ、ジャニーさんに渡しといて。」


マネ「分かりました。じゃ、病院に向かいますね」









車の中は静かで、








病院に着くまで

窓から流れる景色をぼんやりと眺めていた。

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