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また会える日まで

第3章 一人じゃ、ないよ

Oside



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「ん…。あれ…」









カーテンから差し込む光で、目が覚めた。



昨日は…あれ?ニノに抱きついて…







そのまま、寝た?








「やっべ~、やっぱ疲れてんのかな…」




時間を見ると、AM7:00と表示されていた。




「まだ早いなあ~」




って言っても、先生が8時になったら

抗がん剤投与って言ってたな…








点滴での投与になるから



薬が体内に回るのはすぐだ。







抗がん剤の副作用は



熱、吐き気、だるさ、脱毛…









そう考えると余計、憂鬱になってきた…








「起きるか…」









グーッと大きい伸びをしてベッドから立ち上がり


カーテンを開ける。









窓からは丁度中庭が見える。







この病院は小児科もあるから


小さい子もたくさんいる。






俺はあんまりこの部屋から出れないけど


窓から見えるこの景色が好きだ。








しばらく眺めてから、



身支度を始めた。








歯を磨いて、顔を洗って



髪の毛を濡らす。






…抜けちゃうのかな…この髪も。








そんな事を思いながら、ドライヤーをして


ベッドに戻ると丁度8時になった。










ドアがノックされる音とともに、


先生が入ってくる。








先生「おはようございます。よく眠れましたか?



今日から抗がん剤の投与を開始します。



副作用が3日後くらいから出始めると思います。



吐き気、熱、だるさ、脱毛など



本当に辛いと思いますが、頑張りましょうね」











「…はい。お願いします…」









俺の右手に、点滴の針が刺された。

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