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また会える日まで

第3章 一人じゃ、ないよ

Nside




今日は仕事が夕方に終わったから


内緒で大野さんの病室まで来た。









ドアの前に立つと、微かに部屋の中から


嗚咽のような、苦しそうな声が聞こえる。







ノックしてみると、途切れ途切れにリーダーの返事が返ってきた。


開けてみると、容器を手に、

苦しそうなリーダーの姿。







「リーダー?リーダー?!」



駆け寄って背中をさすると、





ごめんって

…こんな姿しか見せれなくてごめんって。



そんな事、気にすることじゃ無いのに。



…頼ってよ、リーダー。








しばらく背中をさすっていると、


吐き気もだいぶ収まったみたいだ。








「ほら、楽なうちに寝ちゃいな?」




「ん…」






小さく返事をしたリーダーは目を閉じると



すぐに寝息を立てて寝始めた。








正直、想像以上だった。



こんなに苦しそうなものだって思ってなかった。



リーダーを見ると、眉間にシワを寄せて



とても苦しそうな寝顔だった。



寝てる時くらい、楽になってくれないかな…








手を包んでぎゅっと握ってみると



微かに手が動いて、俺の手を握り返してきた。







「…早く良くなってね、リーダー」

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