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また会える日まで

第3章 一人じゃ、ないよ

Nside




病室を出た後の皆は



誰1人として言葉を発さなかった。



ま、発さなかったというよりは

発せられなかったの方が正しいか。





そりゃ、ショックだよね。




ちょっと前まで元気だったんだから。








「そんな顔してたら、リーダーが心配しますよ?」



俺のその言葉に、皆がこっちを見る。






俺だってそんな余裕無いのに



リーダーの事が心配で心配で仕方が無いのに









「支えるんでしょ?笑わなきゃ」





そんなこと言いつつも、絶対に笑えてない。




「だからさ、笑おうよ。…ね?」




それに笑えてなくて無理してることもきっと



この人たちには伝わってると思う。





雅「ニノ…」




潤「…俺達がちゃんとしなきゃな」





翔「支えるんだよね。でも、ニノ?






ニノが無理して笑ったって、



リーダー見抜いちゃうよ?









だから、心から笑えるようになるまで





…無理、しないでね?」









ああ、この人達は本当に俺の


1番の理解者だ。








「うん…そうだよね。ありがと…」








大野さんの定期検診まで、あと1週間。









がん細胞が死滅していれば、



自宅から通いで検診を受けながら


普通の人と変わらない生活ができるようになる。









勿論食事制限や運動制限はあるけれど



2年以内に再発しなければ、








大野さんの未来は明るい。









病院のエントランスを出て、


大野さんの病室の方を見上げる。









…頑張ろうね、リーダー。







雅「ほらニノ!置いてくよ!早く~」




「はいはい、今行きますよ」









3人の元へ走って駆け寄って行った。

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