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銀河巡礼

第7章  五の月




御簾の向こうに花房のゆれる影

ほのかに香りも流れこみ

ひとときを薄紫に染めてゆく



藤を愛で

花の時を慈しんだ 万葉人の想いは

今 この胸のかたすみにあるものか…



朱塗りの柱へまとわる風に

耳を澄ませて声を探す






(了)


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