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銀河巡礼

第7章  五の月




緑の瞳には魔性がやどる…


そのドールには
かつて映画の都に君臨した女優への
憧れがこめられているという

波打つ金髪
謎めいた微笑みを浮かべる口元
豪奢に仕立てられた天鵞絨のドレス

何人かの人生さえ狂わせたという
小さなドール…


今 柔らかなまなざしの先には
真紅の薔薇が重たげに揺れている

過ぎた時間を思わせるように






(了)



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