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銀河巡礼

第8章  六の月




彼の住み処は風の山

いつも 生まれたての風が吹いている



夏は潮の 秋には枯れ葉

雪混じりの湿った匂いが薄らぐと

花の香りの春がくる



彼は

手探りの闇のなか 景色を描き

吹きゆく風を抱きしめる


その時風は

ほんのすこし 歩みをゆるめる






(了)



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