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銀河巡礼

第10章  八の月




軒に吊るした風鈴の響き

団扇を使いながら見上げる花火

素足をひたした清流の感触…


猛々しい夏が

隅に追いやってしまった記憶たち



そっと引き戻し

大樹の影に身をよせれば

蝉がひととき声をひそめる


心が宙をさすらい始める






(了)


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