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銀河巡礼

第10章  八の月




微睡みの中 近づく雷鳴に

遠い日の夏が甦る



急いで、急いで…

迫り来る黒雲よりも

光り始めた稲妻よりも

早くと

家路を駆けたあなたと私



今 左手を握りしめ

あの日繋いだ手のぬくもりを

胸に抱く



午前1時18分

驟雨が窓を、打ち始めた…






(了)



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