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銀河巡礼

第10章  八の月




はじめて
この白砂に降り立ったとき
彼は何を思ったろう


四方を海に囲まれ
緑がこんもりと繁る小さな島


welcomeと言いながら
たやすくは心を許すことのない自然に
膝をついたこともあるのだろうか
便りには
美しい明け暮ればかりを綴りながら


けれど
それでも
彼はここにいた



始まりの土地への一歩は
時に埋もれて もう 見えない






(了)



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