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銀河巡礼

第10章  八の月




昼下がり

右へ 左へ流れる模様を描く

魚たちのなかへ

そっと意識をまぎれこませた…



グッピーが頬をかすめて通り過ぎ

ネオンテトラのつぶやきが

泡となって耳をくすぐる


揺れる水草

薄暗い石の洞窟



硝子に囲まれた静寂の世界は

無限の夢に遊ばせて

いつしか 荒ぶる夏も遠ざかる






(了)


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