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銀河巡礼

第11章  九の月




さわり、さわり…

動き始めた新しい時間は

灼けた素肌をすべり抜ける

風鈴の音色に似て

ひそやかに もの悲しい



消えた夏を硝子越しに探す旅は

どこまで続くのか



ねえ君、まだ夢の途中かい…



影に呼びかけるほどのささやかな声は

ちぎれ雲となって浮遊する






(了)


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