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銀河巡礼

第4章  四の月




深い蒼い夜空のなかに
ピエロはボールを蹴り上げた

積もりつづけた哀しさや切なさを
投げ捨てるように力をこめて


けれどピエロの心には
とり残された寂しさが広がるばかり…


── どうか、どうか 帰ってきて



願うピエロの窓辺へと
流れ星が歌いながら急いでいる
長いしっぽに 泣き顔のボールを乗せて






(了)


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