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ワルキューレの朝ごはん

第1章 鮮烈な裸身

風を孕んでコーヌコピア(豊穣の角)の形に膨れるカーテン。

放課後の教室は静まり返っていた、ひきこもりのオタク野郎は友達もいないのに彼女がいた。

アイドル顔負けのルックスの彼女がね、だから何を話したら良いのやら判らないので、将棋の駒を動かしていた。

その不規則に「ぱちん」と云う音だけが、辺りに響く中、彼女は何を見ていたと云う風でもなく戸外の景色を眺めていた。

マシュマロのような頭毛の仄かな芳香、耳元で囁く甘い言葉も最初の引き金を弾く機会に、、

ブラウスのボタンを上から順番に一つ一つ外す、ブラジャーの色は純白、想像より固い弾力、

「もう手ブラで隠しません」

悪意を欠いた無邪気さを露呈
しながら、あらゆる視線にその姿を晒しているように見える。

素っ裸の彼女は自ら視線を選択したりしないし、瞳と云う瞳を平等に受け入れてもいる。

だから、学校の校舎に隣接する図書館にいた人の驚嘆すべき眺めとして存在を刺激していた。

手真似を交えて何やらヒソヒソと会話を重ねる同年代の若者。

スマホで撮影!!それは他日、 順風満帆な日々を送る僕たちの前途に陰湿な強固さを帯びた暗い影を落とすことになる。

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