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隣のアイドル

第2章 *Episode1




認知しないと言いながらも、
家を契約してくれて家賃も払ってくれてる。



私たちには贅沢なほど、
広くてキレイなマンション





柚花には父親は仕事で海外に行ってると言ってある。


死んだことにしても良かったけど、それはまだ私の心がとがめた。







「ねえ、ママ?
今日のご飯なーに?」


「カレーだよ!」


「やったー!」







保育園に柚花を迎えに行った帰り道……








「あ!つくねー!!!」








マンションの入り口の近くで、
突然柚花が走り出した。







「柚花……!」



「つくね!!どこ行くの?お散歩?」






柚花が駆け寄った先には、
つくねを抱っこした裕太の姿ーー








「柚花ちゃん!」


「お散歩なら柚花も行きたい!」


「柚花、ダメよ!
お兄ちゃんに迷惑かけないで!」







裕太の足元で楽しそうにジャンプする柚花を美咲はなんとかなだめようとする。








「柚花ちゃん、ごめんね。
これから仕事なんだ。」


「ほら、柚花…!
仕事なんだって。邪魔しないの!」


「つくねもお仕事なの?」


「つくねは違うよ。
今日はお留守番させられないから一緒に行くだけだよ。」







柚花に視線を合わせるようにしゃがんだ裕太。







「柚花が見るよ!つくねとお留守番してる!」







予想外な言葉に美咲も裕太も驚いた。


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