隣のアイドル
第5章 *Episode4
「すみません!!!
大丈夫ですか?」
ぶつかった女性に駆け寄り、尻餅をついた柚花を起こしながら頭を下げる。
『何なの、急に……』
「すみません、うちの子が走り出してしまって…!」
顔を上げて相手の顔を確認すると、見覚えのある綺麗な顔ー…
柚花を冷たく見下しながら、ワンピースの裾を軽く叩く。
威圧的で、きらびやかに輝くオーラに言葉を失った。
「…どうした?」
そんな空気の中、女性の後ろから顔を覗かせた人にまた言葉を失う。
『なんか、ドアを開けたらこの子が急に突っ込んできて……』
「えっ、柚花ちゃん!大丈夫!?」
靴も履かずに部屋から飛び出してきた裕太
柚花に寄り添い優しく頭を撫でる。
『なに?裕太の知り合いなの?』
「隣の家の子。
ドア開ける時は気を付けろって言ってるだろ!」
『は?何?私のせい?』
「あ、いや…!
うちの子が走り出したせいなんです!!
本当にすみませんでした!!!」
モデルの清水彩絵さんに強く言い放つ蒼井さんを美咲は思わず遮った。
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