隣のアイドル
第6章 *Episode5..
「美咲さんっ……!?」
焦る気持ちを抑えながら玄関の鍵を締めようとしてる時、ちょうど帰ってきた裕太とハチ合わせた。
「どうしたんですか…!?
その格好…!柚花ちゃんまで……」
「柚花が突然戻したの!!
お腹痛いって泣き叫んでて……!」
半分パニックになりながら、不思議と目には涙が浮かぶ。
「美咲さん!落ち着いて…!
俺、タクシー呼んできますから!!」
裕太の声でハッと我に返り、冷静になった美咲。
エレベーターの方へと戻る裕太を美咲は呼び止めた。
「あ、蒼井さん!!!でも、私1人で…!」
「こんな時に強がってどうするんですか!!
すぐに頼ってくださいよ!!」
私の方へと戻ってきて、ひょいっと柚花を抱き上げた。
そのまま私の手を引いてエレベーターへと乗り込んだ。
.